「転職しよう」と思った。でも、次に何をすればいいのか分からない。
求人サイトに登録するのか。職務経歴書を書くのか。先に会社へ退職を伝えるのか。
スマホで求人を何件か見て、条件のよさそうな会社を保存する。それだけで少し動いた気になって、翌日にはまた同じ求人を見ている。
私も、転職を始めたばかりの頃はこんな感じでした。
私はこれまで7回転職しています。最初の頃は、目の前に出てきた作業から手をつけていました。
求人を見つけてから慌てて職務経歴書を書き、面接が決まってから退職理由を考える。内定が出てから、給料や通勤時間を真剣に比べ始める。
順番が逆だったんです。
転職活動は、大きく分けると次の5段階です。
準備 → 書類作成 → 応募・面接 → 内定・条件確認 → 退職・入社
全部を一度にやる必要はありません。
自分が今どこにいて、次に何をするのか。それが分かるだけでも、転職活動はかなり進めやすくなります。
転職ロードマップの全体像|5段階と期間の目安
まずは、転職活動の全体像を見てください。
転職活動の5段階
ステップ1 転職準備
- 転職で何を変えたいか整理する
- 求人を見て相場を知る
- 譲れない条件を決める
- 当面の生活費を確認する
- 必要なら家族へ相談する
ステップ2 書類作成
- 職務経歴書を作る
- 退職理由を整理する
- 志望動機の材料を集める
ステップ3 応募・面接
- 求人を選んで応募する
- 面接で話す内容を準備する
- 面接を受けながら条件を比較する
ステップ4 内定・条件確認
- 年収や仕事内容を確認する
- 入社日を調整する
- 承諾するか辞退するか決める
ステップ5 退職・入社
- 現在の会社へ退職を伝える
- 引き継ぎをする
- 必要書類を受け取る
リクルートエージェントでは、働きながら進める転職活動の期間を、準備から入社まで一般的に3か月程度としています。
ただし、これは目安です。
私の場合も、早く決まった転職と、なかなか決まらなかった転職がありました。求人の多さ、職種、面接回数、引き継ぎ期間によって変わります。
「3か月で決めなければ」と焦る必要はありません。
大切なのは期間より、順番を見失わないことです。
ステップ1:転職準備|情報・お金・条件を整理する
転職活動の最初にやるのは、求人への応募ではありません。
応募先を選ぶための基準を作ります。
ここが曖昧なまま求人を見ると、給料が高い会社、名前を知っている会社、なんとなく雰囲気のよさそうな会社ばかり保存することになります。
私も求人のお気に入りだけが増えて、結局どこにも応募できない時期がありました。
1. 転職で変えたいことを1行にする
まず、今の仕事で何を変えたいのかを1つ書いてください。
- 残業を減らしたい
- 通勤時間を短くしたい
- 給料を上げたい
- 人と接する仕事から離れたい
- 将来も続けられる仕事に移りたい
立派な転職理由でなくて大丈夫です。
「成長したい」「新しいことに挑戦したい」と、きれいにまとめる必要もありません。
ただし、「今の会社が嫌だから」だけでは、次の会社を選べません。
嫌なことの中でも、何が変われば転職する意味があるのか。そこまで絞っておくと、求人を比べやすくなります。
2. 求人情報を集める|自己分析より先に
次に、転職サイトで自分に近い求人を見ます。
この段階では、まだ応募しなくて大丈夫です。
気になる求人を3件ほど開いて、次の項目だけ確認します。
- どんな経験が求められているか
- 給料はいくらか
- 勤務地や勤務時間はどうか
- 自分の経験と重なる部分があるか
私は、何も調べずに自己分析を始めると、考えが同じ場所を回り続けました。
「自分は何がしたいんだろう」と考えても、比較する材料がないからです。
先に外の求人を見ると、「この仕事は違う」「この条件なら気になる」と反応できます。その反応も、転職先を選ぶ材料になります。
👉 なぜ自己分析するほど動けなくなる?スマホで始める転職リサーチ術
3. 生活防衛資金を確認する
転職活動では、思った以上にお金の不安が判断へ影響します。
貯金が少ないと、最初に出た内定を断りにくくなります。「ここで断ったら、次がないかもしれない」と考えてしまうからです。
すぐ退職する予定がなくても、次の金額は確認しておいてください。
- 毎月最低いくら必要か
- 貯金だけで何か月生活できるか
- 転職で年収が下がっても生活できるか
金額を増やすことより、今の状態を把握することが先です。
4. 転職で譲れない条件を1つ決める
希望条件を全部並べると、応募できる会社がなくなります。
反対に、条件を何も決めないと、内定が出た会社にそのまま流されます。
そこで、「これだけは変えたい」という条件を1つ決めます。
残業時間でも、通勤時間でも、仕事内容でも構いません。
私は条件を増やしすぎて求人を選べなくなったことも、条件を決めずに入社して後悔したこともあります。
最初から完璧な条件表を作る必要はありません。まず1つ決める。それで十分です。
👉 30代・未経験の転職は「やりたい」より「譲れない」で決める
5. 家族へ相談する
配偶者や家計を共にする家族がいるなら、この段階で転職を考えていることを伝えておきます。
まだ何も決まっていないのに話すのは、少し怖いと思います。
反対されたら動けなくなりそうで、内定が出てから話したくなる。でも、家族から見れば、それは相談ではなく事後報告です。
先に伝えるのは、許可を取るためではありません。収入、勤務地、勤務時間など、家族の生活にも影響する条件を一緒に確認するためです。
すでに転職活動を始めているなら、今からでも遅くありません。「転職を考えている段階」として話してください。
ステップ2:書類作成|職務経歴書と退職理由を準備する
応募したい求人が見えてきたら、書類を作ります。ここで完成品を作ろうとすると、手が止まります。
最初は文章にしなくて大丈夫です。
職務経歴書|実績を箇条書きにする
職務経歴書を書くときは、次の順番で材料を出します。
- 担当した仕事
- 工夫したこと
- 周囲から頼まれていたこと
- 前より改善したこと
売上を何百万円増やした、といった派手な実績がなくても書けます。
後輩へ仕事を教えた。ミスを減らすために確認表を作った。担当者が休んだときに代わりに対応した。
これも仕事の実績です。
私は「実績」という言葉を大きく考えすぎて、職務経歴書の白い画面を何日も眺めていたことがあります。
まずは、仕事で実際にやったことを箇条書きにしてください。文章に整えるのは、その後です。
👉 40代の転職で「実績がない」と悩む人へ。売るのは変革じゃなく安心です
退職理由|本音を面接用に言い換える
退職理由は、嘘を作る作業ではありません。
本音の中から、面接で伝える事実を選ぶ作業です。
例えば、「上司と合わなかった」が本音でも、そのまま話すと、面接官は人間関係を繰り返さないか心配します。
そこで、次の会社で何を変えたいのかまでつなげます。
現職では担当できる業務が限られているため、今後は〇〇の経験を広げたいと考えています。
不満を隠すのではなく、次に求める条件へ変換するイメージです。
本音をそのまま話すと評価されにくい場合がありますが、きれいな嘘を作る必要もありません。
👉 面接の退職理由で落ちた人へ。7回転職した私がやらかした話と直し方
👉 退職理由の言い換え方10選。本音のまま話したら落ちた人へ
ステップ3:応募・面接|求人を選び、選考を受ける
書類ができたら、求人を選んで応募します。
ここで気をつけたいのは、最初から1社に決めすぎないことです。
求人票だけでは、職場の雰囲気や実際の仕事内容まで分かりません。面接で話を聞いた結果、「思っていた会社と違った」と分かることもあります。
応募は入社の約束ではありません。会社を詳しく知るための入り口でもあります。
応募先は譲れない条件で比べる
求人を見るときは、先ほど決めた「譲れない条件」に戻ります。
年収、通勤時間、残業、仕事内容。
全部が完璧な会社を探すのではなく、一番変えたいことが改善されるかを確認します。
面接が進んだ会社は、求人票だけでなく、面接で聞いた内容もメモしておくと比較しやすくなります。
面接では3つを準備する
- これまで何をしてきたか
- なぜ転職するのか
- なぜこの会社へ応募したのか
文章を丸暗記する必要はありません。
話す順番だけ決めておけば、言葉が少し変わっても答えられます。
私は丸暗記した回答が途中で飛んで、頭が真っ白になったことがあります。覚えるほど、間違えないことに意識が向いてしまいました。
自分の言葉で説明できる程度にしておくほうが、話しやすいと思います。
👉 面接の服装、しまむら・ユニクロで十分。見られてるのは3か所だけ
👉 面接当日の持ち物と身だしなみ。服より先に見られている4つのポイント
逆質問は会社を見極める時間
面接の最後に聞かれる逆質問は、自分を立派に見せるためだけのものではありません。
入社後の仕事を確認する時間です。
- 入社後、最初に担当する仕事は何か
- 同じ部署には何人いるか
- 中途入社者は、どう仕事を覚えるか
こうした普通の質問で十分です。
ステップ4:内定・条件交渉|承諾前に条件を確認する
内定が出ると、ほっとします。
私も電話を切ったあと、「これで転職活動が終わる」と安心したことがあります。
ただ、まだ終わりではありません。
承諾する前に、次の条件を確認します。
- 基本給と手当
- 賞与の条件
- 仕事内容と配属先
- 勤務地
- 残業時間
- 休日
- 試用期間
- 入社日
求人票と面接で聞いた条件、内定通知書の内容が同じとは限りません。
分からない部分があれば、承諾前に確認してください。
年収交渉も、基本的には承諾前です。承諾した後では「その条件で合意した」と受け取られやすくなります。
条件に違和感があるなら、すぐに承諾しなくて大丈夫です。
違和感が必ず問題になるとは限りません。ただ、入社前に確認できることを、確認しないまま進む必要もありません。
ステップ5:退職|伝える時期と辞め方を決める
転職先の条件を確認し、内定を承諾したら、現在の会社へ退職を伝えます。
誰に、どのタイミングで、どう切り出すか。
ここが曖昧なままだと、上司を呼び止められず、何日も先延ばしにしてしまいます。
私も「今日こそ言おう」と決めたのに、結局言えずに帰ったことがあります。
最初に直属の上司へ伝える
最初に伝える相手は、基本的に直属の上司です。
先に同僚や別部署の人へ話すと、人づてに上司へ届く可能性があります。
そうなると、退職理由より「なぜ自分に先に言わなかったのか」という話になりやすいです。
退職の話をするときは、いきなり理由を説明し始めるのではなく、まず時間を取ってもらいます。
「少しお話ししたいことがあります。今日か明日、時間をいただけますか」
詳しい切り出し方や、引き止められたときの返し方はこちらにまとめています。
👉 退職の切り出し方と、引き止めの断り方。誰に最初に言うかで決まる
退職前に確認すること
- 就業規則の退職申出期限
- 転職先の入社日
- 引き継ぎに必要な期間
- 有給休暇の残日数
- 賞与の支給条件
すべて希望どおりになるとは限りません。
ただ、確認せずに伝えるより、希望する退職日とその理由を説明しやすくなります。
家族へまだ相談していない場合も、会社へ退職を伝える前に話しておいてください。
家計や生活時間に影響する転職なら、退職後に報告するより、現在分かっている条件を一緒に確認するほうが話はこじれにくくなります。
引き止められても、議論を続けすぎない
退職を伝えると、理由を詳しく聞かれることがあります。
「今辞められると困る」「待遇を改善する」「もう少し考えてほしい」と言われるかもしれません。
相手の話を聞くことと、退職するかどうかを相手に決めてもらうことは別です。
すでに退職を決めているなら、理由を増やしすぎず、同じ答えを繰り返します。
「考えたうえで決めました。退職の意思は変わりません」
理由を一つずつ説明すると、その理由を解決する話に変わってしまいます。
退職の許可を取るのではなく、退職日と引き継ぎについて相談する。それくらいの意識で大丈夫です。
話し合いが成立しない場合は外部へ相談する
引き止めが激しい。退職の話を受け付けてもらえない。心身が限界で、上司と話すこと自体が難しい。
そういう場合は、労働局への相談や退職代行を検討します。
退職代行は、退職を考えた全員が最初から使うものではありません。自分で伝えることが難しい事情がある人のための選択肢です。
頼む場合は、民間業者、労働組合、弁護士で対応できる範囲が違うことを確認してください。
転職活動を一人で進められないときの相談先
ここまで読んで、「やることが多い」と感じたかもしれません。
私も、仕事が終わったあとに求人を探し、書類を書き、面接の日程を調整するのが負担になったことがあります。
全部を一人で抱える必要はありません。
特に、次の情報は自分だけでは集めにくいものです。
- 自分の経歴で応募できる求人
- 現在の年収相場
- 応募先の選考傾向
- 面接日程の調整
- 条件交渉の進め方
こうした部分を補うために、転職エージェントを使う方法があります。
ただし、登録したら必ず転職しなければならないわけではありません。担当者との相性もあります。
話を聞いて、合わなければ使わない。それくらいの距離で大丈夫です。
まとめ|転職ロードマップは現在地の確認に使う
もう一度、転職活動の順番を並べます。
準備 → 書類作成 → 応募・面接 → 内定・条件確認 → 退職・入社
きれいに順番どおり進まないこともあります。
書類を作っている途中で気になる求人が出ることもある。面接を受けて、今の会社に残る選択肢が見えてくることもあります。
戻っても構いません。
私も転職を重ねる中で、何度も途中で迷いました。求人を保存しただけで数週間止まったこともあります。
それでも、今いる場所が分かれば、次にやることは小さくできます。
まだ求人を眺めている段階なら、「転職で何を変えたいか」を1行書く。
書類で止まっているなら、これまで担当した仕事を箇条書きにする。
面接が怖いなら、退職理由だけ声に出してみる。
転職活動を一気に終わらせる必要はありません。
今いる段階から、次の一つへ進めば大丈夫です。


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