30代・未経験の転職は「やりたい」より「譲れない」で決める

踏み出す前に

「30代 未経験 転職」で検索しても、出てくるのは「未経験でも転職できる職種10選」ばかり。

でも、あなたが眠れない夜に本当に知りたいのは、こっちですよね。

年収は、いくら下がるのか。貯金はいくら要るのか。もう30代、遅くないのか。そもそも、やりたいことなんて、ない。

私は転職を7回しています。そのうち歩合制のサービス業は、完全な未経験から入りました。手取りが3割落ちて、元に戻るまで1年かかっています。

この記事は、読み終わったときに「自分はこう動けばいい」と決められるように作りました。見るべき求人が絞れて、もう夜中に「未経験 転職 厳しい」と検索しなくてよくなる。そこまで持っていきます。


その前に。「やりたいこと探し」は、もうやめていい

どの記事も「やりたいことを見つけよう」と書きます。でも、はっきり言います。

やりたいことなんて、無くていいです。

「これがやりたい!」と燃えている人は、夜中に「未経験 転職 厳しい」なんて検索しません。あなたが動きたいのは「今がしんどいから」。それで十分、正当な理由です。


【STEP1】そもそも今、動くべき?

1つでも当てはまれば、動いていい
  • 心か体にサインが出ている:日曜の夜が憂うつ/眠れない/朝起きられない
  • この会社にいても上がらない:頑張っても給料も役割も変わらないのが見えている
  • 3年後の自分を想像したくない:今の延長線上に、いたい未来がない

とくに心や体にサインが出ているなら、我慢は禁物です。「もう少し頑張れば」で壊れる人を、何人も見てきました。判断できる元気があるうちに動いてください。壊れてからでは、選ぶ力そのものが無くなります。


【STEP2】「譲れない一線」を1つに絞る

「やりたいか」ではなく「これだけは譲れない」で選びます。やりたいことは「うーん…」でも、「これだけは、もう無理」なら3秒で出るはずです。

あなたの「譲れない一線」は、どのタイプ?
  • ①お金:手取りがこれ以下だと、生活が回らない
  • ②時間:残業まみれは無理/土日は休みたい
  • ③人間関係:怒鳴られる・詰められる職場は、もう無理
  • ④心と体:夜勤や立ち仕事は続かない/ノルマの重圧で眠れないのは嫌

「全部が限界で、1つに選べない」あなたへ

追い詰められている人ほど「全部もう無理」となって選べません。それが普通です。選び方は、こうです。

「休みの日にも、頭から離れないもの」を選んでください。日曜の夜、あなたの胸を一番重くしているもの。それが今のあなたを一番削っている一線です。そこを1つ外すだけで、他の我慢は驚くほど軽くなります。


【STEP3】未経験だと、いくら下がるのか

たぶん、ここが一番知りたいところだと思います。最初に、正直に書いておきます。

「未経験の転職」に限った公的な統計は、探した限り見当たりませんでした。国が出しているのは、経験を活かした転職も全部ひっくるめた数字だけです。

なので、まず背景としてその全体の数字を置きます。これは未経験の答えではありません。

参考:転職した人全体では、賃金はどう変わったか
転職して、前の職場と比べて…
30〜34歳
増えた
46.1%
減った
24.2%
35〜39歳
増えた
45.5%
減った
24.3%
横軸は0〜100%。増えた人が、減った人のほぼ2倍います(全年齢の平均は40.5%)。
ただしこれは経験を活かした転職を含む数字なので、未経験のあなたに当てはめることはできません。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査 結果の概況」表6(令和6年=2024年の1年間に転職した人が対象)

未経験で飛び込めば、即戦力にはなれません。最初は下がる可能性のほうが高い。そこは覚悟が要ります。

では実際いくら下がるのか。統計が無い以上、私の実額を出すしかありません。

私は、3割落ちて、戻るまで1年かかった
未経験から歩合制のサービス業に移った初月、手取りは前の月給から3割ほど落ちました。

その月にやったことを正直に書きます。昼のコンビニをやめて、外食を止めた。服も美容も趣味も、全部あと回し。それでも足りなくて、貯金を取り崩しています。

しかも、すぐには戻りませんでした。前の月給を超えるまで、1年近くかかっています。

これは私ひとりの例で、統計ではありません。ただ、「数ヶ月で戻ります」と書いてある記事より、こちらのほうが現実に近いと思っています。

だから、お金の準備をどうするか

理想を言えば、動く前に生活費の半年分。貯金が無いと「早く決めなきゃ」と焦って、結局また、譲れない一線を踏む会社を選びます。お金の余裕は、そのまま”断る力”です。

ただし、順番を間違えないでください
心や体が限界なら、貯金より先に、今の場所から離れることを優先していい。

半年分が貯まるのを待っている間に壊れてしまったら、意味がありません。その場合は、いったん収入が下がっても続けられる仕事に移って、体力が戻ってから本命を探す。2段階で動くやり方もあります。

私が歩合を選んだ理由と、勧めない理由

私が選んだのは歩合の仕事でした。月給の頃は、どれだけ頑張っても手取りが1円も動かなかった。その閉塞感が、私にはいちばんこたえたからです。

ただし、これは人に勧めません。歩合の求人は、未経験を大量に採って、続かない人はそのまま辞めてもらうという構造の業界とも重なります。私はたまたま合っただけです。

未経験の転職を考えている人の多くは、月給の仕事を探しているはず。その前提で読んでください。


【STEP4】一線タイプ別に、よく挙がる方向

ここは「よく挙がる方向」であって、あなたに合う保証ではありません。下の注意書きまで必ず読んでください。

あなたの一線から考える
  • ①お金・②時間タイプ月給の正社員。IT(インフラ・営業)、事務、物流など。額と時間が読めることを優先
  • ③人間関係タイプ → 軽作業・製造・倉庫が挙がりやすい
  • ④心と体タイプ → 何がしんどいかで真逆になります。座り仕事か、体を動かす仕事かを慎重に
この2つは、必ず知ってから選んでください
【軽作業・製造・倉庫】「人間関係が薄い」と言われがちですが、閉鎖的で当たり外れの大きい現場も多いのが実際です。「合わなければ抜けやすい」は、裏返せば人が定着していない現場という意味でもあります。人間関係が理由で動くなら、職種で決めずに職場ごとに見るしかありません。

【介護】採用されやすい反面、体力・夜勤・人間関係の負荷が大きい。”採りやすい”と”あなたに合う”は別です。一線を踏むなら、また辞めることになります。

「35歳の壁」と、入社後3ヶ月の現実

①「35歳の壁」は、あるのか

さっきの厚労省の数字を、もう一度見てください。

グラフで見る「35歳の壁」
年齢別・転職して賃金が増えた人の割合(転職者全体)
0%20%40%60%35歳46.3%25〜29歳46.1%30〜34歳45.5%35〜39歳45.9%40〜44歳
35歳のところで、線が落ちていません。いちばん高い年代と低い年代の差は、わずか0.8ポイント。「壁」があるなら、ここから右肩下がりになるはずですが、そうなっていません。
※縦軸は0%から。差を大きく見せるための拡大はしていません。
さらに35〜39歳だけを、前年と比べると
前年
38.0%
今回
45.5%
1年で7.5ポイント伸びています。壁ができるどころか、逆の動きです。

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査 結果の概況」表6(令和6年=2024年の1年間に転職した人が対象)

ただし、これも転職者全体の数字です。ここから言えるのは、「35歳を境に賃金が崩れる現象は、少なくともデータには出ていない」ということまで。「未経験でも35歳の壁は無い」とは言えません。

私の実感で補うなら、未経験の場合、年齢が上がるほど”育てる前提”の求人は減ります。壁というより、坂が少しずつきつくなる感覚に近い。

それでも結論は変わりません。年齢を理由に諦める根拠は、少なくとも賃金のデータには無い。そして坂は、迷っている間もきつくなり続けます。

② 未経験の「最初の3ヶ月」は、正直きつい

未経験で入ると、最初は「何もできない自分」と向き合うことになります。年下に教わることも、ミスして落ち込むこともある。プライドは一度折れます。

でも、それは最初の3ヶ月だけです。

私は7回動きました。ただ、正直に言うと回数が増えるほど、面接での説明は難しくなります。だから「何度でも大丈夫」とは言いません。

それでも、一度で人生を決めなきゃと思い詰める必要は無いとは言えます。合わなかったときに立て直す道は、ちゃんとあります。


今日、決めるのはこれだけ

今日、メモに書く3つ
  • 1:STEP1の3つ、当てはまった?(=動くサインか)
  • 2:あなたの「譲れない一線」は①〜④のどれ?(休みの日も頭から離れないもの)
  • 3:その一線を守れる働き方は、月給か、それ以外か

この3つが決まれば、見るべき求人が驚くほど絞れます。「やりたいこと」から探して迷子だった頃とは、景色が変わります。

あなたが夜中に検索したのは、今がしんどいから。その感覚は、正しいです。

やりたいことなんて無くていい。「これだけは譲れない」を1つ決めて、そこから動いてみてください。下がった年収は、時間はかかっても取り戻せます。でも壊れた心と体は、戻すのにもっとかかる。だから、動けるうちに。

30代・未経験の求人選びで、遠回りしたくない人へ
「未経験歓迎」の求人は玉石混交で、その職場があなたの一線を踏むかどうかは、求人票に書いてありません。ここを一人で見抜くのは、正直むずかしい。

7回の転職で私が実際に使った3社を、「どんな人がどこを使うべきか」で振り分けて比較しました。登録の前に、違いだけ知っておくと無駄な失敗を減らせます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました