会社を辞めた。あるいは、辞めようとしている。
そこで一番こわいのは、次の給料日が来ないことだと思います。失業保険があるのは知っているけれど、調べると「自己都合は2か月待ち」「いや3か月」と書いてあって、どれが本当か分からない。貯金が尽きるのが先か、入金が先か。それが分からないまま、日だけが過ぎていく。
先に結論を書きます。2025年4月1日以降に自己都合退職した場合、給付制限は原則1か月です。対象の教育訓練を受けると、この給付制限が解除されることがあります。ただし、誰にでもある7日間の待期はなくなりません。
ここで正直に書いておきます。私は7回転職しましたが、失業保険を受け取ったことは一度もありません。この記事は体験談ではなく、2026年8月時点の厚生労働省とハローワークの公表資料をもとに整理しました。個別の受給可否や離職理由は、管轄のハローワークが判断します。
読み終わるころには、自分にどの待期・給付制限が当てはまるのかと、いつ窓口へ確認すべきかが分かります。
失業保険はいつから?手続きから入金までの流れ
最初に、入金までの流れを図で見てください。
大事なのは、受給資格決定日から7日間の待期を数えるということです。退職日から自動的に始まるわけではありません。
離職票が届かないまま待ち続けると、受給手続きの開始が遅れます。退職後10日程度たっても届かなければ、まず会社に確認し、管轄のハローワークへ相談してください。事情や地域によっては、離職票が届く前に仮手続きできる場合があります。
自己都合で失業保険を受け取れる3つの条件
待期や給付制限の前に、受給資格を確認しておきます。一般的な自己都合退職では、次の条件を満たすことが原則です。
病気・けが・妊娠・出産などですぐ働けない場合は、基本手当ではなく受給期間延長など別の手続きが関係することがあります。詳しくは、厚生労働省「雇用保険の基本手当Q&A」を確認してください。
自己都合の給付制限は原則1か月|2か月は古い情報
ネットで検索すると、いまだに「自己都合退職は2か月の給付制限」と書いてある記事が大量に出てきます。これは古い情報です。
1か月でも、基本手当が支給されない期間です。辞める前に、家賃や生活費を払える現金は残しておいてください。
今から離職し、通常の自己都合離職に該当するなら、給付制限は原則1か月です。ただし、受給資格を満たすことが前提で、後ほど説明する3か月の例外もあります。
教育訓練で自己都合の給付制限を解除する方法
ここからが、あまり知られていない話です。
2025年4月から、対象となる教育訓練を受けると、自己都合による給付制限が解除されます。7日間の待期が満了したあと、給付制限を受けずに基本手当の支給対象になります。7日間の待期そのものが消える制度ではありません。
対象になるのは、次の4つです。
※重責解雇による3か月の給付制限は、教育訓練を受けても解除されません。この制度の対象外です。
時期の条件もあります。2025年4月1日以降に開始した対象訓練で、離職日前1年以内に修了したか、離職日以後に受講を開始・継続していることなどが要件です。対象になるかは講座名だけで判断せず、ハローワークへ確認してください。
つまり、離職前に修了した講座でも対象になる場合があります。一方、受講時期や講座の種類によっては対象外です。
教育訓練の申出期限はいつまで?
ここが、この記事で一番伝えたいところです。
教育訓練を受けていても、決められた申出期限を過ぎると、給付制限の解除が適用されない期間が生じることがあります。期限は、受講を始めた時期によって異なります。
厚生労働省のリーフレットには、給付制限が2か月以上の人が、その期間中に受講を始めた場合の例が載っています。
申出期限は、受講を始めた時期で変わります。
受給手続き前から受講している場合は、受給資格決定日または初回認定日まで。初回認定日後に始めた場合は、受講開始直後の認定日など、ハローワークが指定する日までです。
「全員が初回認定日まで」ではありません。受講開始が決まった時点で、管轄のハローワークに期限と必要書類を確認してください。
対象かどうかを自分だけで判断しているうちに期限を過ぎるのが、いちばんもったいないパターンです。対象か分からなくても、講座名・受講期間が分かる資料を持って早めに窓口へ相談してください。
自己都合の給付制限が3か月になるケース
もうひとつ、知らないと危ない例外があります。
「5年間に2回辞めたら3か月」ではありません。過去5年間に同じ種類の自己都合離職で受給資格決定を2回以上受け、今回が3回目以降に当たるケースです。
見るのは単なる転職回数ではなく、受給資格決定の回数と今回の離職理由です。自分が該当するかは、ハローワークで確認してください。
給付制限が解除されても、すぐには振り込まれない
給付制限が解除されても、7日間の待期は残ります。さらに、受給手続き、最初の認定、認定後の振込まで時間がかかるため、退職から基本手当の初回入金までは必ず間が空きます。
だから、失業保険をあてにして辞める日を決めるのは、かなり危ないと思っています。制度は生活費の全部を埋めてくれるようには作られていません。
先に用意しておくべきなのは、待ち時間を計算することよりも、待てるだけの現金のほうです。
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そしてもう一つ。基本手当の入金待ちを避けやすいのは、在職中に次の仕事を決めてから退職する方法です。給付制限が1か月になっても、退職直後に基本手当が入るわけではありません。
離職票が届いたら早めにハローワークへ
失業保険の話は、条件が細かくて、読んでいるうちに嫌になります。だからこそ、分からないまま待たないことが大切です。申出期限を過ぎると、制度が適用されない期間が生じることがあります。
覚えて帰ってほしいのは、3つだけです。
制度は、必要な申出や手続きをして初めて適用されます。離職票が届いたら早めに手続きし、届かない場合も待ち続けず会社とハローワークへ確認してください。
※本記事は厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークの公表資料(2026年8月時点)をもとに作成しています。個別の判断は、お住まいの地域のハローワークにご確認ください。


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