何年働いても、基本給や時給がほとんど変わらない。
「もっと頑張れば上がる」「長くいれば、そのうち上がる」と言われても、いつ、何をすれば、いくら上がるのかが分からなければ待ちようがありません。
長く働けば、必ず給料が上がるわけではありません。まずは「いつ、何を基準に給料を見直すのか」を確かめましょう。定期昇給以外にも、会社全体の賃上げや個別の交渉で上がる場合があります。

私が長く働いた職場は、時給+歩合制でした。
売れた月は歩合分が増えましたが、時給そのものが上がることはありませんでした。同じ収入を保つには、翌月もまた売る必要があり、長く働いても給料の土台は変わりませんでした。
正社員として働いた時期もあります。ただ、在籍期間が短く、昇給を経験する前に退職しました。だから「正社員なら長くいれば上がる」とは、自分の経験からは言えません。
この記事では、給料が上がらない理由を5つに分けます。読み終わるころには、会社へ何を聞くかと、残るか外を見るかの判断基準が分かります。
賃上げのニュースが出ても、自分は上がらないのはなぜ?
調査対象は常用労働者100人以上の民営企業で、賃金について調べているのは雇用期間の定めがない労働者です。社員の9割が昇給した、という意味ではありません。

一部の従業員だけが賃上げの対象になることもあります。「会社が賃上げした」と「自分の給料が上がった」は別。この数字だけで、自分の評価が低いとは決められません。
出典:厚生労働省「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」
給料が上がらない5つの理由
① 定期昇給の制度がない
定期昇給は、社内の制度に沿って毎年一定の時期に行う昇給です。勤続年数などで上がる方式も、評価で決まる方式もあります。
定期昇給の決め方
2025年調査。賃金改定が未定の企業を除いた、定期昇給制度がある企業の回答。複数回答のため、両方の制度を持つ企業もあります。
「定期昇給あり」だけでは、自分が上がるかは分かりません。

まず会社へ、「定期昇給はありますか。あるなら、時期と条件を教えてください」と聞いてみてください。
出典:厚生労働省「定期昇給制度、ベースアップ等の実施状況」。調査対象は常用労働者100人以上の民営企業です。
なお、昇給制度がなくても、適用される最低賃金を下回る賃金は認められません。これは評価とは別の話です。厚生労働省の説明
② 評価の基準が分からない
「頑張れば上げる」と言われても、売上なのか、資格なのか、役割なのかが分からなければ再現できません。
聞くのは「次の等級へ上がる条件」「次回の評価月」「上がった場合の金額」の3つです。答えが具体的なら、取り組む価値あり。「総合的に判断します」だけなら、待つ期限を自分で決めたほうがいいです。
③ 時給や固定給を見直す機会がない
時給や歩合だから、昇給できないわけではありません。問題は、時給や固定給を見直す機会があるかです。歩合で増えた収入と、継続して上がる賃金は分けて考えましょう。
確認するのは「時給の見直しはいつか」「同じ仕事の賃金幅はいくらか」「歩合を除いた固定支給額はいくらか」です。時給制なら、契約上の勤務時間もセットで確認を。同じ時給でも、働く時間が変われば月収は変わります。
④ 等級や役職の上限に届いている
同じ仕事、同じ等級のままでは、それ以上上がらない会社もあります。これは能力不足ではなく、賃金表の上限に届いている状態です。

「今の等級の上限はいくらか」「次へ上がるには、仕事の内容がどう変わるのか」を確認してみてください。役職につきたくない人は、専門職として上がる道があるかも聞いてみてください。
⑤ 会社に上げる余力や方針がない
制度や評価基準があっても、業績が厳しければ昇給が止まることはあります。反対に、業績が戻っても人件費を増やさない会社もあります。個人の努力だけでは変えにくい理由です。
「過去3年に昇給は実施されましたか」「現在、昇給を止めているなら再開の目安はありますか」と確認してみてください。再開時期も条件も決まっていないなら、待つ期間を自分で決めましょう。
昇給について会社にどう聞く?そのまま使える文面
過去と今の明細で、基本給や時給を比べます。3年前は目安なので、勤続が短ければ入社時で大丈夫です。勤務時間や役割の変更があれば、それも合わせて確認しましょう。ただし、なぜ上がらないかまでは明細だけでは分かりません。
あわせて、雇用契約書、就業規則、賃金規程、評価表を確認します。就業規則は、労働者が見ようと思えば見られる状態にしておく必要があります。
参考:厚生労働省「就業規則等の会社の規定類は、労働者に見せなければならないのですか?」
昇給しない会社を辞めるか迷ったときの判断基準

給料が安いだけで、すぐ辞める必要はありません。今の給料で生活できるかと、今後上がる見込みの両方を見てください。

外を見るときは、求人の「年収例」だけでなく、基本給と固定手当の支給条件を比べてください。固定残業代は分けて確認し、賞与は支給条件を確認するまで当てにしすぎないこと。時給制は勤務時間もそろえて比べましょう。
なお、上がらないのではなく、先月より下がった場合は原因が別です。
👉 給料・手取りが下がったのはなぜ?給与明細で分かる6つの原因
後から入った人に抜かれた場合は、こちらに分けています。
まとめ|長く働く前に、昇給の仕組みを確認する

給料が上がらない理由を、全部自分の頑張り不足にしなくて大丈夫です。
働く時間や売上を増やす話と、時給・基本給を上げる話は別です。まず仕組みを確かめてから、頑張る場所を決めてみてください。
👉 転職で年収に迷ったとき、「死守ライン」という数字が自分を救ってくれた
※本記事は2026年9月7日時点の厚生労働省の公表資料をもとに作成しています。「賃金引上げ等の実態に関する調査」は、常用労働者100人以上の民営企業が対象です。会社の平均賃金が上がったことと、すべての従業員が昇給したことは同じではありません。


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