両方一気に変えるのは「仕入れ基準ゼロ」で勝負するようなもの
物販(せどり)をやったことがある人なら、一瞬で理解できる鉄則があります。 もし、今まで「店舗で古着」を仕入れて利益を出していた人が、いきなり「ネットで家電」を仕入れようとしたらどうなるでしょうか。 仕入れの場所も違えば、扱う商品ジャンルも全くの未経験。相場観も仕入れ基準も1ミリも分からない状態で動けば、高確率で資金を溶かしてしまいます。 これ、転職活動で「業界」と「職種」を両方いっさいがっさい変えようとしている人と、全く同じ状態なんです。- 業界(仕入れの場所):飲食、IT、不動産、製造など、ビジネスの戦場
- 職種(扱う商品):営業、事務、エンジニア、企画など、自分のスキル
なぜ「職種キープ × 業界変更」が、最もイージーに年収が上がるのか?
軸をずらすなら、圧倒的に「職種は今のまま、業界だけを変える」のが最短ルートになります。理由は単純で、これが一番コスパよく年収を上げられるからです。① 今ある「自分のスキル(商品)」をそのまま横スライドできる
業界が変わっても、職種が同じなら、あなたがこれまでに培ってきたスキルはそのまま使えます。 たとえば、「飲食業界の営業・接客」をしていた人が、「IT業界の営業」に転職するケース。扱う商品はハンバーグからソフトウェアに変わりますが、「お客様の課題を聞いて提案する」という営業の本質は1ミリも変わりません。 業界の専門知識なんてものは、入社した後にいくらでもキャッチアップできます。面接でも「営業としての即戦力」をアピールできるため、採用率が跳ね上がります。② 「利益率の高い業界」に移るだけで年収が跳ね上がる
物販に「薄利多売のジャンル」と「一撃の利益が大きいジャンル」があるように、業界によって会社の利益率(給与水準)は最初から決まっています。 あなたがいくら優秀で、身を削って一生懸命働いていても、利益率の低い業界(飲食やアパレルなど)にいる限り、お給料の天井は低いです。 でも、あなたの「営業」や「事務」というスキルはそのままに、利益率の高い業界(IT、インフラ、金融、不動産など)に場所をずらす。やっている仕事の労力は同じなのに、年収が100万円以上アップするなんてことは普通に起こります。 自分という「商品」の価値をゼロから作り直すのではなく、「自分を売る市場(業界)」を変える。これこそが軸ずらしの真髄です。どうしても業界も職種も一気に変えたいあなたへ贈る「安全なルート」
「軸ずらしの理屈は分かった。でも、私は今の業界も職種も両方大嫌いだから、どうしても一気に変えたいんだ!」というワガママなあなたのために、作戦を1つ提案します。 それは、「今の会社を実験場にして、社内転職(異動)でまずは職種だけを変えてもらう」というルートです。 いきなり外の市場で「2軸未経験」のギャンブルに打って出るのは高リスクですが、今の会社であれば、あなたにはこれまで真面目に働いて築いてきた「社内での信頼や人望」という大きな資本があります。 その信頼をテコにして、社内公募や異動願いを使い、まずは今の会社の中で希望の職種へスルッと滑り込ませてもらうのです。 そこで2年ほどしっかり働いて、職務経歴書に書ける「実績と職歴」を仕入れる。 リスクゼロで新しい武器を手に入れた状態を作ってから、満を持して「行きたかった新しい業界」へ向けて外に飛び出す。 時間こそ少し遠回りに見えるかもしれませんが、これが一番安全に、お給料を下げずに2つの軸を両方変えることができる、大人の賢い立ち回りです。【3ステップ】あなたの不満から逆算する「ずらす軸」の決め方
「じゃあ、私の場合はどこをどうズラすればいいの?」という人のために、軸の決め方を整理しました。ステップ1:「今の仕事の何が一番嫌か」を1つだけあぶり出す
人間関係、給料の低さ、仕事内容そのもの、残業の多さなど、一番のストレスの源をハッキリさせます。ステップ2:嫌な原因に合わせて「ずらす軸」を選ぶ
「給料が低い」「会社の将来性が不安」が嫌な人 👉 「職種」をキープして、給与水準が高い「業界」へずらす(年収アップの王道!) 「今の仕事内容がどうしても精神的に無理」という人 👉 「業界」をキープして別の職種へずらすか、社内異動を狙うステップ3:転職エージェントに「1軸だけズラしたい」と伝える
求人を探すときは、エージェントに「今の職種スキルを活かして、別の業界にスライドしたいです」と明確に伝えてください。軸がブレていない求職者は、エージェント側も紹介しやすいので、非公開の優良求人を優先的に回してくれるようになります。
まとめ
何でもかんでも一気に変えようとする転職は、ギャンブルと同じです。まずは自分の武器を片手に持って、戦う場所を1つだけズラしてみる。
どうしても両方変えたいなら、今の会社を賢く使ってまずは武器を仕入れる。それだけで、転職の難易度は驚くほど下がり、理想の年収への道筋が見えてきます。
まずは「今の職場の一番の不満」を書き出すことから始めてみてください。

