退職して、最後の給料が入った。数字が、思っていた額と違う。
次の給料日まで、このお金で暮らすはずだったのに。家賃、カード、光熱費。引き落とし日が近いほど、不安になりますよね。
先に、この記事の役割を書いておきます。
これは、正しく発生した保険料をなくすための記事ではありません。月末退職では、退職月分まで保険料がかかるからです。ただし、二重控除や計算ミスなら話は別です。
この記事でできるのは、引かれた月と金額が正しいのかを確かめることです。別の月の分をまとめて払っただけなのか、本当に重複しているのか。判断するための材料をそろえます。

2か月分になるのは、引く時期が重なるから
給料から引かれる保険料は、今月の分とは限りません。前月分を、翌月の給料から引く会社があります。
たとえば、9月30日に退職する人。9月の給料で8月分を引く会社なら、最後に残る9月分も一緒に引くことがあります。
たとえば本人負担が月3万円の人なら、通常は3万円、退職時には8月分と9月分で6万円。金額は倍になりますが、罰金でも追加料金でもなく、別の月の保険料です。

私も、退職後の最後の給料を見て「思ったより少ない」と感じたことがあります。
気になったのは、カード代の引き落とし。「これを払ったあと、お金を使いたいときに使えなくなったらどうしよう」と不安になりました。
結局、買い物を控え、貯金を使ってやりくりしました。最後の給料は「いつ入るか」だけでなく、「いくら残るか」も確かめておきたいところです。
※3万円は説明用の仮の金額です。実際の額は給与明細で確認してください。
なお、給料の締め日や保険料を引く時期は会社ごとに違います。月末退職でも、必ず最後の給料から2か月分を引かれるわけではありません。
月末退職と、1日前の退職で何が変わる?
会社の保険を使えるのは退職日まで。翌日に加入資格を失い、保険料は「資格を失う月」の前月分までかかります。
| 退職日 | 会社の健康保険・厚生年金の保険料 |
|---|---|
| 9月29日 | 原則、8月分まで |
| 9月30日 | 9月分まで |
9月30日退職なら、資格を失うのは10月1日。そのため9月分も必要になり、前月分とのまとめ払いが起こり得ます。
ここで、「それなら月末の1日前に辞めたほうが得なのでは」と思うかもしれません。
そうとは限りません。会社の保険料がかからなくても、退職後の保険料が必要になる場合があるからです。天引きが減ることと、負担が減ることは別です。
次の会社の保険にすぐ入らないなら、健康保険は国民健康保険・任意継続・家族の扶養を検討します。年金は、国内に住む20歳以上60歳未満なら原則として切り替えが必要です。厚生年金に入っている配偶者の扶養に入り、第3号被保険者になる場合は、自分で国民年金保険料を納めません。

※入社した月に厚生年金の資格を失い、その月に別の厚生年金または国民年金へ加入した場合は、先に納めた厚生年金保険料が会社を通じて還付されることがあります。該当しそうなら年金事務所へ確認してください。
明細のどこを見る?「支給」と「控除」の2か所
ここからが、確かめる作業です。前月の明細と最後の明細を並べて、まず「支給合計」と「控除合計」を見てください。支給は会社から払われる額、控除はそこから引かれる額です。
支給が減っていたら、基本給の日割り、欠勤分の差し引き、残業代の減少などを確認します。月給でも、月の途中で辞めると満額にならない会社があります。
控除が増えていたら、健康保険料・厚生年金保険料・住民税を確認します。保険料は金額だけでなく対象月を、住民税は何回分をまとめて引いたかを聞けば大丈夫です。
住民税は、退職時に残額をまとめて引くことがあります。1〜4月に辞める場合は、原則として5月分までの残りをまとめて引きます。6〜12月は本人が希望した場合などです。次の会社で天引きを続ける場合や、給与などから引ききれない場合は扱いが変わります。

👉 給料・手取りが下がったのはなぜ?給与明細で分かる6つの原因
会社の返事が来たら、ここまで確認する
返答のパターン別に、次の一手を書いておきます。
「前月分と今月分です」と言われたら
前月の明細で引かれた保険料が、何月分だったかも聞いてください。同じ対象月が重なっていれば、重複していないか確認します。金額がいつもの倍というだけでは判断できません。
「計算ミスでした」と言われたら
「差額はいくらで、いつ振り込まれますか。訂正した明細もお願いします」と返します。訂正されても、入金が引き落としに間に合うとは限らないからです。
「決まりです」としか言われなかったら
「決まりを変えてほしいのではなく、何月分をいくら引いたか知りたいです」と、話を内訳に戻します。それでも説明がなければ、明細と会社の返答を持って窓口へ。
- 厚生年金:年金事務所
- 健康保険:加入していた健康保険の窓口
- 住民税:市区町村の税担当
- 不明な天引き・未払い:労働基準監督署や総合労働相談コーナー
対象月と金額の両方が合っていれば、まとめ払いだったと判断できます。間違いが見つかったら、差額をいつ返してもらえるか確認しましょう。
次の入金まで、生活費が足りないとき
内訳に納得しても、手元のお金が足りないという問題は残ります。その場合は、会社の返事を待たずに相談を始めて大丈夫です。
- 家賃:管理会社などへ、期日前に「支払日を相談できますか」と連絡を。延期が必ず認められるわけではありません
- 税金・保険料:納付書に書かれた窓口へ「退職して支払いが厳しいです。使える制度や支払い方法を相談したいです」と伝えます
- 国民年金:失業による免除・納付猶予を申請できる場合があります。申請と審査が必要で、自動では免除されません
- 住まいを失うおそれがあるとき:地域の自立相談支援機関へ。住居確保給付金の対象か相談できます。収入・資産・求職活動などの条件があります

まだ退職前なら、先に金額を聞いておく
この記事にたどり着いた人の中には、まだ辞めていない人もいると思います。その場合は、いつもの手取りを前提にせず、最後の入金額を先に確かめておいてください。
「まだ計算できません」と言われたら、大きな控除の予定と、金額が分かる日だけ先に聞けば十分です。
あわせて、次の会社にも「最初の給料日はいつで、何日分が支払われますか」と聞いておくと安心です。入社した日と、最初の給料が入る日は別です。すぐ働き始めても、はじめからひと月分が入るとは限りません。

※2026年9月確認。一般的な仕組みを公的資料から整理しています。個別の控除額・手続きは、勤務先や各窓口で確認してください。「読者の疑問」として記した内容は説明用です。最後の給料を見て買い物を控え、貯金を使った話は筆者の実体験ですが、手取りが減った原因は確認できていません。
参考:日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」/日本年金機構「入退社した月の厚生年金保険料」/横浜市「退職後の住民税の手続き」/日本年金機構「国民年金保険料の免除・納付猶予」/協会けんぽ「退職後の健康保険」/日本年金機構「退職後の年金」

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