「年収を下げる転職」をした私が、結局いちばん年収が上がった理由

踏み出す前に

先に、たぶん怒られそうなことを言います。
「年収が上がる転職」を探しているうちは、年収は上がりません。

私は7回転職しました。そして年収が本格的に上がり始めたのは、皮肉なことに一度、自分から年収を下げた年からでした。

意味わからないですよね。でも、からくりが分かると「あ、そういうことか」となります。今日はその話を、具体的な数字ごと出します。


年収を“下げる”選択をした年に、何が起きたか

4回目の転職のとき、私は自分から年収を下げました。それも、けっこうな幅で。周りには「何やってんの」と言われました。

理由は一つ。その会社が、当時まったく経験のなかった職種を「未経験でいいから来て」と言ってくれたからです。給料は下がる。でも、そこでしか手に入らないスキルが積める。

結果どうなったか。そこで2年でスキルを仕込んで、次の転職で下げたぶんを一気に取り返し、さらにそれを大きく上回りました。下げていた期間は、丸ごと「仕込み」だったんです。

あのとき下がる前の年収にしがみついていたら、私は今も同じあたりをウロウロしていたと思います。下げたんじゃなくて、「仕入れ」をしていたんですよね。


年収には「我慢代」と「スキル代」の2種類がある

ここが、この記事の核心です。世の中の給料は、ざっくり2つに分けられます。

①スキル代=あなたにしかできないことへの対価。
②我慢代=キツさ・長時間・責任を引き受けたことへの対価。

厄介なのは、この2つが給与明細では区別できないこと。同じ「年収500万」でも、中身がスキル代の人と、我慢代の人がいる。

そして我慢代で上がった年収は、その会社を出た瞬間に消えます。だって「その会社で我慢したこと」に、次の会社は1円も払わないから。スキル代だけが、転職しても持ち運べる。

私が当時の年収を捨てられたのは、あの給料の中身が、ほぼ「我慢代」だと気づいたからでした。持ち運べない給料にしがみついても、未来はない。


「時給」で割ると、正体が一発でバレる

自分の年収が我慢代か、スキル代か。簡単に炙り出す方法があります。実労働時間で割って、時給にするだけ。

B社の50万アップの正体は、月40時間ぶんの我慢代です。しかも残業代込みなら、それは「昇給」ですらなく、ただ長く働いた対価。オファーが来たら、喜ぶ前にこの割り算を一回してください。それだけで、私が半年かけて後悔したことを、契約前に見抜けます。


求人票の「この言葉」が出たら、我慢代を疑う

我慢代の高い会社は、求人票にサインが出ます。全部が地雷とは言いませんが、この言葉が並んでいたら、面接で中身を必ず確認してください。

これらは「スキルが身につくか」とは無関係な言葉ばかり。逆に、身につくスキルや任せる範囲が具体的に書いてある求人は、スキル代を払う気がある会社です。


とはいえ、下げていいのは「条件つき」

誤解されると困るので、はっきり書きます。「年収を下げろ」と言っているわけではありません。無条件に下げるのは、ただの消耗です。

下げていいのは、次の1点を満たすときだけ。
「下げた先で、次に高く売れるスキルが、確実に手に入るか」。これがYesならOK、Noならただの安売りです。

生活が回らないほど下げるのも論外。下げるにしても、貯金という“着地マット”がある範囲で。ここは無理をしないでください。


年収は「上げる」より「仕込む」もの

年収を上げたい人ほど、目先の高いオファーに飛びつきます。でも、それが我慢代なら、持ち運べずに消える。

本当に年収を上げている人は、順番が逆です。先に持ち運べるスキルを仕込んで、それを高く売る。そのために、一時的に下げることすら、道具として使う。

年収の数字は、上げようと追いかけると逃げます。「何が仕込めるか」で選び続けた結果、あとから勝手についてくる。急がば回れ、は年収の話でもわりと本当です。

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